1番である必要がないと思っている話

お久しぶりです。期末課題のレポートを書くことから目を背けて書きたいことを書くべくここに立ち寄りました。みなさまお元気でしょうか。僕は最近バイトの仕事量が増えすぎて昇給の要求をしました。賃金が上がった途端に客足が遠のいてヒマになるという謎の申し訳なさを感じております。

 

日頃から思っている人間の能力の話をまとめておきたいと思って書きます。サブタイトルとしては「2番手3番手で全然構わない理由の論理的説明」みたいなとこでしょうか。固く重い話じゃないのでご安心を。

 

出し抜けですが、僕は高校時代に生徒会に所属していました。僕のいた生徒会は全体で40人くらいいるそこそこな規模感の組織でした。まあまあ頑張って参加していた方だったので、3年次にはちょっとした長にもなったのですが、そうした中で感じることがありました。

 

人には向き不向きがあるという、ごく当たり前のことです。

 

僕は総務部という部署に所属していたので、稀に行事などのイベントの運営を手伝うことがありました。そこで仕事の割り振りなどを決めるときに人の能力を客観的に考えちゃんとそれが発揮される割り振りについて考える必要に駆られました。とあるイベントの時に有能な委員長がいました。彼(仮にイロハ君と呼称)はひいき目に見ても僕より場を回すのがうまく、能力的には上位互換と言っていいでしょう(少なくとも僕の主観では)。ジョジョスタンド能力っぽく表記するならこんな感じ。

 

判断力 A

俊敏性 B

対応力 B

渉外性 A

スタミナ A

 

みたいな。対して僕はこんな感じ。

 

判断力 B

俊敏性 C

対応力 B

渉外性 C

スタミナ B

 

あくまで話を書きやすくするために適当に設定しているけれど、大事なのはイロハ君が僕の上位互換的人材であるという点です。別に自分を過小評価しているわけではなくだいたい彼がやったほうがうまくいくだろうという信用の裏返し。

 

ここで明記しておきたいのがここで僕がブドウを見上げるキツネのようにもならずこのままで良しとして過ごしていたことです。そして僕のような下位互換的存在でも組織には絶対に必要だと感じていたことでもあります。

 

イロハ君が全てをやる方が効率がいいというのは先の能力表を見れば感じるでしょうが、現実はそうシンプルではありません。当然イロハ君が全ての業務を行うことは時間的にも体力的にも無理だし、なによりワンマンチームは思考の柔軟性が失われて良くありません。組織に求められる量の成果を出すためにはどうしても組織内で分業をする必要があります。そこで僕のような下位互換が必要になってくるわけです。

 

僕はイロハ君ほどの仕事ができなくとも、彼のクオリティに近しい仕事をできる場があり、それは僕以外のメンバーにも共通でした。これができると何が良いかというと、イロハ君が十全なパフォーマンスを発揮できるという点です。イロハ君は上位互換的な能力を持っていますが、あるイベントのすべてを一人で執り行うにはイベントの規模が大きすぎるとします。そのような時には本来彼が持つ能力を十全に発揮しきれません。しかしそこに愛すべき下位互換である僕が彼の業務を代替することでイロハ君のパフォーマンスが上がる、結果的に組織全体での成果が上がる、という現象が起きます。

 

まあ当たり前のことしか書いてないんですが、雑な言葉でまとめると「めちゃめちゃ優秀な人がいても全部見切るのは無理だから、下位互換的な人でもいいので誰かが代替するとその優秀な人が動きやすくなって結果的に得」という実感を得た、という話です。

 

よく1番優秀でなくてはならない、とか最高の力を持ってないと意味がない、とかいう考えを目にしますが、僕はそうは思っていません。なぜなら組織で何かをする中ではめちゃめちゃ能力が高い人でもどうしても手が回らないことが出てくるからです。僕のような愛すべき下位互換の果たせる役割は、優秀な人がパフォーマンスを発揮できるように(たとえクオリティが廉価になっても)タスクを代替し、組織としての生産力を上げることだと思ってます。そしてその人たちの仕事はとても重要で貴ばれるべきだと思ってます。

 

こういう風に考えているから僕は自分の能力が他人より劣っていても気にならないし、逆に自分の能力が低いことをやたらと気にする人を見かけると「ああ、なにかしらの組織で活動していたことが少ないのかしら」とか思ってしまいます(まあこれはこの発想に至れた僕が幸運だったとも思っているので実際はここまで思ってはいない)。なので自分にできることをするのが大事、という理念で僕は基本的に動こうとしてます。

 

何か自分の能力にコンプレックスを持っている人、自分の上位互換が身近にいることが気になっている人の解決の糸口に慣れれば幸いです。

 

P.S.

去年受講していた授業で、家庭内労働と家庭外労働のバランスみたいな話をしていた時にこれとほぼ同じような話が出てきてちょっと嬉しくなった。興味ある人は僕から聞くか、経済学部に入学しよう。